ついに、本物のワールドプレミアに立ち会えた。中国の本格的なレーシングサーキットで披露された、ハイブリッドのスポーツワゴンだ。わずか二周でバッテリーはほぼ空になった。しかし、最も興味深いのは、誰がシャシーをチューニングしたのかという点だ。

舞台は寧波:レーシングサーキットに用意された車はわずか三台
中国での試乗会は、なかなか大変なこともある。今回の舞台は寧波だ。Geelyの本社は、それほど遠くない杭州にあり、寧波には工場、最新の衝突試験設備を備える大規模な安全研究施設、そして民間のモータースポーツ施設がある。アラン・ウィルソンが設計した一周四キロメートルのFIA Grade 2サーキットは、あまり使われていない。年間に開催されるのは、地元のツーリングカー選手権の数戦と、中国のFormula 4の一戦だけだ。Lynk & Coのファクトリーテストチームもここを拠点にしている。
では、カザフスタン、インド、ロシア、イスラエル、ミャンマーから約百人のブロガーが集まる国際発表会のために、近くの工場から何台の車を持ち込んだのだろうか。
三台。
走行セッションの合間には、参加者はほかのLynk & Coのモデルでパドック内を試乗できた。私はE.N.Carsのチームのおかげで、コンパクトクロスオーバーの06とフラッグシップハイブリッドの900にはすでに乗っていた。だから今回の目的はただ一つ。ルーフに大型の複合素材製スポイラーを載せた、ひときわ目を引く07 GTだ。Porsche Panamera Sport Turismoに対する、より手頃な価格の回答なのか。確かめてみよう。

エクステリアデザイン:夜にこそ映える姿
07 GTは、人目を引く車だ。全長4.8メートルのボディには存在感がある。Lynk & Coのデザイン責任者で、1990年代からVolvoで働いていたステファン・ローゼンは、ブランドの考え方を明快に説明する。スウェーデン車はスカンジナビアの柔らかな昼の光の下で最も美しく見えるように、中国車は中国の街を照らす夜のネオンの下で最も美しく見えるようにデザインされるのだという。
07 GTは、まさにその説明どおりだ。張り出したリアフェンダー、ルーフラインに沿うカーボン製スポイラー、鋭いLEDライト。その組み合わせにより、現在販売されているステーションワゴンの中でも、ひときわ個性的な一台になっている。

インテリア:技術は見事、仕上がりにはばらつき
ローゼンは、内装については同じような説明をしなかった。それには理由がある。車内に座ると、07 GTのインテリアが外装の出来栄えに追いついていないことがわかる。
良い点:
- 車内全体に使われている良質な素材
- ベンチレーションとマッサージ機能を備えるフロントシート
- 23個のスピーカーを備える、出力1,600ワットの優れたHarman/Kardonオーディオシステム
- 二人とその荷物を載せて走るグランドツアラーに期待される、大きな荷室
物足りない点:
- ドアを閉めると、サッシュレスのドアガラスががたつく
- 後席の広さは明らかに不足しており、Changan Nevo A06のようなリフトバックと比べると特にそう感じる
- 車内全体の雰囲気が、外観から抱く期待に応えていない

パワートレイン:公称530 hp、実際にはバッテリー切れ
ここでは試乗条件が大きく影響した。07 GTの公称出力は530 hpで、0から100 km/hまでの加速は5.5秒とされる。しかし当日ははるかに遅く感じられ、八秒に近い印象だった。
なぜか。一周四キロメートルのサーキットを数周しただけで、28.3 kWhのLFPバッテリーがほぼ完全に空になってしまったからだ。充電残量がなくなると、パワートレインには頼れる電力がほとんど残っていなかった。

07 GTのハイブリッドシステムは、以下で構成される:
- 最高出力163 hpの1.5リットルターボガソリンエンジン
- クランクシャフトに取り付けられた、出力82 hpのスタータージェネレーター
- 出力245 hpのフロント電気モーター
- 追加された、出力122 hpのリア電気モーター
- ガソリンエンジンを前輪に直接つなぐ三速オートマチックトランスミッション
- Geelyが開発したシリーズ・パラレル式のトランスミッション構成3DHT Evo
この構成により、ガソリンエンジンは発電機を介してバッテリーを充電すると同時に、トランスミッションを介して前輪を直接駆動することもできる。関連するフラッグシップモデルのLynk & Co 900では、少なくとも以前のソフトウェアでは、ガソリンエンジン側の変速を体感できた。07 GTなら、さらに機械的な感触が強く、運転への一体感も高いはずだと期待する。とりわけバッテリーが空になり、エンジンがより懸命に働かなければならない状況ではなおさらだ。
ところが、どれほど攻めて走っても、エンジンと車輪が機械的に直結している感触は得られなかった。Geelyのエンジニアが明確に選んだのは、電気自動車のような滑らかな出力特性だ。より重いZeekr 9Xと8X、そしてLotus For Meにも同じ方針が採用されている。バッテリーが空の状態でサーキットを激しく走る二トンのグランドツーリングワゴンにとって、この滑らかさは弱点になる。ガソリンエンジンには、もっと積極的に力を発揮してほしかった。

シャシーとハンドリング:この車で最も優れた部分
07 GTが本当に感心させられるのはここだ。それは最初のコーナーから明らかになる。

ステアリング:
- ロック・トゥ・ロックは2.5回転
- 鋭く、明確な応答
- 驚くほど軽く、それでいて前輪の状態をはっきり伝えてくれる。特に直進位置付近での感触が良い
- 電動パワーステアリングのモーターは、ステアリングコラムではなく、第二のピニオンを介してステアリングラックに作用する。この構成は、直進位置付近の感触を改善するためにあえて選ばれたものだ
コーナリング時のバランス:
- ボディロールがよく抑えられている
- サスペンションは縁石をきれいに、落ち着いていなす
- 限界では、安全で穏やかなアンダーステアへと移行する
- コーナーの途中でアクセルを戻すと、リアの五リンク式サスペンションが走行ラインをわずかに内側へ絞ってくれる。これは好ましい特性だ
シャシーは、現在は完全にGeelyグループの一員となったLotusの本拠地、ヘセルのエンジニアたちが開発とチューニングを担当した。その経験の豊かさは、はっきりと感じられる。

サスペンション技術:磁性流体ダンパーと、それ以外の工夫
07 GTのフロントサスペンションはMacPhersonストラット式で、Changan Nevo A06など一部のライバルが採用するダブルウィッシュボーン式ではない。だが、ダンパーの種類がその差を補って余りある。
ラインアップには、二種類のダンパーが用意される:
- ベース仕様:Koniが開発したパッシブバルブを使う周波数感応式ダンパー(FSD)。GACがS7クロスオーバーに採用しているものと同じ技術だ
- 最上級のGT仕様:通常のオイルの代わりに磁性流体を充填した磁性流体ダンパー(MRC)を採用し、1,000 Hzの頻度で減衰力を無段階に調整できる
MRCシステムは、運転支援システムが前方の路面の変化を検知してから10ミリ秒以内に、サスペンションの設定を変更できる。この運転支援システムはLiDARと、毎秒最大700兆回の演算が可能なNvidia Drive Thor-Uチップを使っている。
この磁性流体ダンパーを供給するのは、北京に本拠を置く国有企業のBWI Groupだ。同社は2009年、Delphiの旧シャシー部門を母体に設立された。BWIは同じ技術をFerrari、Lamborghini、Ford、Cadillacに供給しており、今ではChangan(Deepal L06)とGeelyも供給先に加わっている。かつてアメリカの自動車部品サプライヤーだった企業としては、実に興味深い歩みだ。

通常のLynk & Co 07セダンと比べるとどうか
前輪駆動のみで、通常のダンパーを備える標準のLynk & Co 07セダンでも、一周だけ走ることができた。違いは大きかった。
- 予想どおり、明らかに遅い
- ボディロールが大きい
- サスペンションが柔らかく、動きの収まりも劣る
- ステアリングからドライバーに伝わる情報が少ない
GTのシャシーは、単に少し良いという程度ではない。車格そのものが違うと感じるほどだ。

価格と価値:中国でこの金額を払う価値はあるか
四輪駆動で装備も充実し、電動格納式トウヒッチも備えるLynk & Co 07 GTの最上級仕様は、中国で208,000元だ。
金額そのものは安くない。電気自動車とハイブリッド車のメーカー間の価格競争が最も激しくなっている現在の中国市場では、同じ予算で同程度の装備を持つクロスオーバーを非常に幅広い選択肢から選べる。
208,000元の07 GTで手に入るもの:
- 530 hpの四輪駆動ハイブリッドパワートレイン
- 電力のみで約100 kmの航続距離
- 同等のガソリン車のおよそ半分の燃料消費量
- LiDARを備える運転支援システム
- 磁性流体ダンパーを使うアダプティブサスペンション(最上級仕様)
- ベンチレーションとマッサージ機能を備えるフロントシート
- 23個のスピーカーを備える、出力1,600ワットのHarman/Kardonオーディオシステム
- 電動格納式トウヒッチ(最上級仕様)
比較のために挙げると、2000年代初めのAlfa Romeo 156 Sportwagonは、ハードカレンシー換算でほぼ同じ価格だった。そのAlfaにあった電子装備はエアコンとレインセンサーだけで、走りは明らかに上だった。だが、上に挙げた装備は一つもなかった。ドル圏とユーロ圏の物価は過去25年間に約90%上昇しているため、あのAlfaを今買うとすれば、価格はおよそ二倍になる。
シャシーから伝わる感触と運転の楽しさでは、07 GTはあのAlfaの水準に届かない。それでも、その差は想像するより小さく、技術面での優位は圧倒的だ。

結論:ほぼ素晴らしい一台、あと一つ望むなら
Lynk & Co 07 GTは、価格に対して得られるものを考えると、特に感心させられる車だ。ヘセルのチームが手がけたシャシーチューニングこそ、この車の最大の長所である。落ち着きがあり、路面や車の状態をよく伝え、二トンのファミリーワゴンとしては驚くほど運転が楽しい。

長所:
- MRCダンパーを備える優秀なアダプティブシャシー
- 感触が明確で、入念に調整されたステアリング
- 実際の使用でも十分な電動航続距離
- 優れたオーディオシステム
- 人目を引く、独創的なエクステリア
短所:
- 内装の質感と後席の広さが、意欲的なエクステリアに見合っていない
- 滑らかな出力特性を選んだことで、バッテリー残量が少ないと運転の面白みが薄れる
- 中国では競争力のある価格だが、ほかの通貨に換算すると受け入れにくい
Geelyが将来の仕様で後輪の出力を高め、バッテリーを大型化すれば、この車は特別な存在になり得る。そして、すでに作り上げたこの車を運転した今、そんな一台が登場すると確信している。

次回の記事では、寧波にあるGeelyの大規模な安全研究施設と、それが中国車の衝突安全性に持つ意味を取り上げる。
写真:レオニード・ゴロワノフ
この記事は翻訳です。原文はこちらからお読みいただけます:Lynk & Co 07 GT: знакомство на гоночной трассе в Китае
公開日 8月 21, 2026 • 読む時間:5分